LSEプラスチックを用いたデザイン

LSEプラスチックを用いたデザイン

接合しにくい低表面エネルギープラスチックの接合

3Mのエキスパートに聞く

低表面エネルギープラスチックの接合

  • 低表面エネルギープラスチックの接合
  • 低表面エネルギープラスチック(LSEプラスチック)はしばしば頭字語で表され、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PEまたはHDPE)、ポリスチレン、アセタール、EVA(エチレン酢酸ビニル)、粉体塗料などがこのタイプの材料に該当します。 基本的に柔らかく、融点が低いため、容易に加工できます。大量になっても密度が低いので、軽量化に貢献します。 低表面エネルギーはこの材料グループの最大の性質であるため、いずれも接着しにくいという特徴があります。LSEプラスチックで使用できる接着剤やテープ製品はありますが、選択肢は格段に少なく、テストに使用できる製品数は限られています。​​

    LSEプラスチックはさまざまな形状に容易に成形でき、看板や装飾トリム、パッケージング(プラスチック容器)など単一用途によく使用されますが、プラスチックトレー、緩衝材、ラップフィルムにも使用されます。 ほとんどの用途では強力な接着は必要ありません。ただし、再利用市場では、多くの再生可能プラスチックが粉砕され、軽い合成木材に再生されています。このような木材の接着特性は基本的に同じですが、より高い接着強度が求められます。​


接着テクノロジー

LSEプラスチックの接合に最適な接着剤とテープをいくつかご紹介します。

  • 感圧接着テープは、両面に粘着剤を塗工した薄いテープです。 構造的に分類すると、このタイプのテープには、粘着剤転写テープと両面テープの2種類があります。 3MにはLSE表面への接着を考えて開発された独自の配合があります。 平滑な表面に最適で、スマートフォン、フラットスクリーンテレビ、ガスケット、装飾トリム、さまざまなパッケージ用途でのダイカット成形品など、複雑な平滑な成形品によく使用されます。

  • 3M™ Scotch-Weld™ 瞬間接着剤は、密着性の高い物の接着を考えて開発された、非常に強力な液状接着剤です。 1平方インチにわずか1滴の瞬間接着剤で、LSEプラスチックも含めてさまざまな被着体を十分に接着できます。

  • 3M™ Scotch-Weld™ 構造用アクリル接着剤は2液混合型の接着剤で、条件の厳しい用途でも画期的なデザインを実現する最大の武器になります。これらの接着剤のなかには、LSEブラスチックの接合に有効なラインナップがあります。3M™ Scotch-Weld™ 構造用アクリル接着剤は、耐衝撃性を発揮し、幅広い環境条件下で高い性能を実現します。


LSEプラスチックの種類

  • ポリプロピレン

    ポリプロピレン

    ポリプロピレンは、大量に製造される低密度プラスチックで、フィルム、繊維、成形部品として広く使用されています。 容器となるパッケージ、吸収パッド、ラップフィルムによく使用されるほか、自動車や家電、医療分野で軽い部品を作成するために使用されています。

  • ポリスチレン

    ポリスチレン

    ポリスチレンは透明で硬質のプラスチックです。もろい可能性がありますが、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)という頑丈なタイプがあり、こちらはやや異なる接着特性を持ちます。 ポリスチレンを使用するさまざまな用途の例としては、荷物の緩衝材、CDケース、クラムシェル容器、ボトル、トレー、カップ、使い捨てのフォークやスプーンなどがあります。 ポリスチレンは容易に成形加工できるため、細かいデザインが可能です。また、真空成形により、フォームパネルも製作できます。

  • ポリエチレン

    ポリエチレン

    ポリエチレンは最も一般的なプラスチックで、最大の生産量を誇ります。 包装用のラップフィルムや、成形加工によりボトルなどの容器の原料によく使用されています。 ポリエチレンは強度も耐温度性も比較的低いながら、加工が容易なため、強度や耐温度性があまり重要でない用途に使用されています。

  • アセタール(ポリオキシメチレン、POM)

    アセタール(ポリオキシメチレン、POM)

    ポリオキシメチレンは不透明で白色の高性能プラスチックで、高い強度、曲げ剛性と捩り剛性に加え、耐衝撃性と耐温度性、寸法安定性を併せ持っています。 ギアホイール、コンベヤーベルト、眼鏡のフレーム、ファスナー、スキー板などの部品によく使用されます。

  • EVA

    EVA

    エチレン酢酸ビニルはゴム状のポリマーで、丈夫で優れた耐亀裂性を持ちます。 特にテニスシューズやサンダルの靴底など靴製品や、スポーツ用品のクッション用フォームとしてよく使用されています。また、天然コルクの代替品としても使用できます。

  • 塗料・粉体塗料

    塗料・粉体塗料

    従来の塗料は表面エネルギーに幅があるため、接着要件がまちまちでした。 粉体塗料は流動性のよいドライパウダーで、塗装後に熱を加えることで、固い保護皮膜が形成されます。 溶解すると低表面エネルギーの添加物が表面に浮いてくることがよくあり、粉体皮膜の接着を難しくする場合があります。


接着・接合・組立の種類

最適なパフォーマンスの接着剤を選ぶには、通常、接着・接合・組立の種類を考慮することが有効です。 以下の6つの接着・接合・組立の種類のそれぞれに設計特性があり、多くの場合、それらが最適な接着剤やテープを選ぶ決め手になります。

信頼できるソリューションで自信を持って設計する

精密、迅速な加工で、高い強度を発現できる接着接合製品を、革新的な製品作りにご活用ください。 3Mのエキスパートが、お客様に最適なソリューションをご提案し、耐久性に優れた接合実現のお手伝いをいたします。