感圧粘着テープの一般的な化学成分

Pressure Sensitive Tape Councilによると、感圧接着剤 PSA、粘着剤と認められるには次の3つの要素が必要です。

  1. 永久的なタック
  2. 軽い圧力を与えるだけで接着する
  3. 液体から固体への相変化がない

液体接着剤とは異なり、一般的な粘着テープは完全に硬化した状態なので、接着するために追加で硬化反応させることはありません。 接合は、界面での機械的な投錨作用と静電相互作用によって形成されます。この粘着剤の特徴的な機能により、製品を設計する際の自由度が高まり、生産効率が向上します。また、 以下のような特長があります。・圧力をかけた後すぐに取り扱いが可能な接着強度になる・貼り合わせ工程が簡単・粘着剤層の厚みが一定・テープ厚にバリエーションがある。支持基材、機能性の発泡基材(フォーム)を使用することも可能。・(抜き)加工することで精密な貼り合わせが可能・バリューチェーンの中で組み立て工程を事前に行うことが可能性・表面に損傷を与えることなく異種材料を接着・金属の間に貼ることで電解腐食を低減。
粘着剤を使った製品には、機能性フォームなどの基材を備えたさまざまな厚さの両面テープ、転写テープ、片面テープ、粘着剤付き印刷フィルムなど、さまざまな形式があります。 形式の違いに加えて、工業用用途向けの粘着剤には多種多様な材料が使われています。 特殊な配合の粘着剤が多くの用途で使用されていますが、一般的によく使用される3つの材料に焦点を当てて比較したいと思います。 接着接合で使用する適切なテープまたは接着剤を選択する際には、粘着剤の材料の違いだけでなく他に多くの要因を考慮する必要があります。


アクリル粘着テープ

  • アクリル粘着テープ

    粘着剤用のアクリル系材料の開発は、天然ゴムが紫外線にさらされると黄変し劣化する傾向があるために始まりました。また アクリル系材料はゴム系材料よりも内部強度が高い傾向があります。

    アクリルテープは工業的な接着用途の主力製品です。 アクリルの化学が進化し続けることにより、高温または低温性能、高、中、および低表面エネルギー(HSE、MSE、LSE)材料への接着、または難燃性などのユニークな特性さえも提供できます。 アクリルテープには、機能性フォームなどの基材があるもの、ないものを含め、厚さにはさまざまな種類があります。 アクリルフォームテープの機能性フォーム基材は、強度や動的応力吸収などの特定の機能を提供することができます。 アクリルテープは、ほぼすべての業界で使用されています。

  • 主なメリット
     

    • 幅広い材料に接着できる
    • 老化および環境条件に対す る耐性が良好
    • 動的応力および振動吸収性を 有するアクリルフォーム基材が 利用可能

    主なデメリット
     

    • 高耐熱性のアクリルもあるが、 シリコーンと比べると耐熱性に劣る
    • ゴム系粘着剤よりも最終接着強 度になるまでの時間が長いただし、 通常圧着の直後から取り扱い可能な 強度はあり、 最終強度は通常ゴム 系より高くなります

液体接着剤で使用される「アクリル」とは異なり、一般的な粘着テープで使用されるアクリルは完全に硬化した状態なので、接着するために追加で硬化反応させることはありません。 接合は、界面での機械的な投錨作用と静電相互作用によって形成されます。


シリコーン粘着テープ
  • シリコン粘着テープ

    シリコーン含有ポリマーは、表面エネルギーが非常に低いため、テープ剥離ライナーに使用できますが、接着剤自体の配合にも使用されます。

    シリコンテープは、シリコーンに接着し、-40°F(-40°C)から500°F(260°C)以上の非常に広い温度範囲に耐えることができることでよく知られています。

  • 主なメリット
     

    • シリコーン材料への接着性が良い
    • 高温耐性
    • カビや菌類に比較的耐性がある

    主なデメリット
     

    • 比較的低い強度
    • 非シリコーン材料への接着強度は低いが、 片面にシリコーンを、もう片面にアクリル を使用してシリコーンを非シリコーンに接 着できる両面テープが利用可能

シリコーンは「無機」である、つまり骨格は炭素でないため、本質的に低刺激性であり、カビや菌に対して比較的耐性があります。


ゴム系粘着テープ

  • ゴム系粘着テープ

    ゴムは、粘着剤の製造に使用された最初の材料でした。 数十年にわたって、ゴム系粘着剤のテクノロジーは進歩し、特定の性能のために天然および合成ゴム樹脂と多種多様な粘着付与剤が配合されるようになりました。

    ゴム系粘着剤は、他の材料よりも接着力の立ち上がりが速く、LSEを含む様々な表面に接着でき、比較的コストがかかりません。 そのため多くの用途で使用されています。しかし、最終的な接着強度はアクリル系粘着剤よりも低く、老化の原因(日光と酸化)に対してより影響を受けます。

  • 主なメリット
     

    • 初期タックが高い(高タック)
    • 低表面エネルギーの被着体への接着
    • 比較的低コスト

    主なデメリット
     

    • アクリル系粘着剤と比較して 最終接着強度が低い
    • 環境条件(UV、温度など)に 対する耐性が低い

天然ゴム(ポリシス-イソプレン)は機械的に加工され、溶媒に容易に溶解または分散できるよう低分子量化が可能です。 合成ポリマー(スチレン-イソプレンブロックコポリマーなど)も使用できます。 更に粘着性を付与して粘着剤として使用できるようにするために、ピネンなどの粘着付与剤(松の樹液など)が添加されます。


他の接着剤と同様に、テープの化学成分も組成も日々進化しています。新しい接着剤、新しい基材、新しい製造工程により、今後も引き続き新しい工業用テープが開発されていくでしょう。

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