A. 食用油は未開封の容器に保存すれば、品質はあまり変化せず長期間保存できます。しかし、長期間空気と接触したり、高温で加熱されたりすると酸化され、異臭が出てきたり、色が濃くなったりして品質が劣化します。酸化が進んだ油は、食用には適さなくなります。 何回も使用して劣化した油が有害といわれるのは、油の成分である不飽和脂肪酸が酸化されて過酸化物が出来るからです。更に酸化が進むと脂肪酸の過酸化物よりもさらに有害な重合物も生成されます。このような油を摂取した場合、胸焼けや吐き気を催す事があります。そして取り続けた場合、内臓疾患や動脈硬化の一因となると言われています。
また油の劣化が進みますと揮発成分も増加します。フライヤー機器のある厨房用内で、その油から蒸発した揮発性分が充満した場合、作業者まで気分を悪くさせたりする事があります。
A. 実験室で油、温度、揚げだねと数量が一定だと多くの場合相関関係が見られます。しかし一般には、これらの条件は一定ではなく、条件が違う現場から実際に収集する油においては相関は見られません。酸価は揚げだねに含まれる水分で油の加水分解が進み、油の劣化の進み具合により遊離脂肪酸が増加します。その遊離脂肪酸の量をもって酸価の値を決定します。極性化合物量は上記遊離脂肪酸量と、油が加熱されることによって起こる色々な反応で生成された物質すべてを併せて測定値とします。
例えば、揚げだねを多く揚げられる繁盛店は上記酸価が早く進みますが、そうでないお店は加熱、酸素との接触による反応が主になり極性化合物量が増加する反応が進む傾向があります。以上の事から酸価と極性化合物量は相関がないと考えた方が正しいです。