電気工事のお仕事は、専門の知識と技能が必要な、世の中でなくてはならない大事なお仕事のひとつです。中でも高圧の電気を扱う工事は、危険も伴うため、より高度の技能が要求されています。
エチレンプロピレンゴムとシリコーンゴムを原材料とする3Mの高圧絶縁用テープは、絶縁テープの中でも最も高いレベルの絶縁性能を備えており、世界中の電気工事にてご採用いただいています。
高圧絶縁用テープを適切に巻くことで、テープ同士が自己融着し、間隙を埋め、それにより致命的な電気事故が起こることを防いでいます。高圧絶縁用テープは、自己融着テープとも呼ばれています。
ベテランの電気工事士によっては、高圧の電気工事だけではなく、低圧の工事など、さまざまなご用途でご使用いただいています。
絶縁テープをご使用頂く上で、テープを正しく巻くことが大切です。
高圧絶縁用テープは湿気の侵入を止めます。
高圧絶縁用テープは高温でもご使用いただけます。
高圧絶縁用テープは衝撃緩衝材としてもご使用いただけます。
高圧電力ケーブルに高圧絶縁用テープを巻く作業は、非常に時間がかかり、またミスも起こりやすい作業です。なぜなら、テープの途中に余分な気泡を残さないように、正確にテープを半重ねで一往復巻いたり、常に均一に張力をかけながらテープを巻くことが求められるからです。
3Mの高圧絶縁用テープを巻くときは、テープの幅を元の幅の2/3くらいになるまで引っ張りながら巻くようにしてください。引っ張りながら巻くことで、テープ同士がなじみ、一体化(自己融着)し、優れた防湿性能、絶縁性能を発揮します。
接続部をこのテープで保護する場合は、テープの端を止めたうえで、力を入れて引っ張りながら巻き付けてください。テープを伸ばして使うことで、テープの長さは若干長くなります。
高圧絶縁用テープを巻いた後に必要な特性を得るためには、均一な力で引っ張りながらテープを巻くことが非常に大切です。
高圧絶縁用テープ同士は自己接着するため、正しく巻くことで テープのしわや隙間がふさがり、高い気密と水密性能を実現することができます。
高圧絶縁用テープは湿気を強く止めることができるため、屋外でのご使用や、浸水で水がたまることが多いマンホールの中などでのご使用に最適です。
蒸気が出ていたり、水が滴り落ちていたり、あきらかに湿度が高い 生産工場や製造設備の環境では、防湿対策を十分にするために、高圧絶縁用テープが使われています。
化学的に危険性のある液体に触れるような環境では、銅線の腐食を防ぐために、高圧絶縁用テープの上に電気絶縁用ビニールテープを巻いてください。
高圧絶縁用テープの中には高温に強い商品もあります。
とても暑い夏の日に、トラックの運転席にビニールテープを置いたままにしておくと、高熱でテープの糊が柔らかくなることがよくあります。極度に熱くなったときは、糊がしみだしてくることさえあります。
3Mの高圧絶縁用テープの使用温度範囲の上限は、80°Cから105°Cまで様々です。スコッチⓇ 自己融着性テープ 130Cや、スコッチⓇ 自己融着性テープ 23などの一部の商品は、130°Cの高温下でもご使用いただけます。優れた高温特性をもつために、様々な業界において、湿気に対するシール材として、衝撃緩衝材として、絶縁材として、また低圧のご用途でもご使用いただいています。
(ご使用例)
高炉を備えた生産ライン
製鉄所
排熱口の近くの設備
熱をもつ機械設備や、モーター、発電機周りなど
更なる高熱の環境のご要望におこたえして、3Mは、耐熱クラス H種(180°C)の温度まで対応した シリコーン製のテープもご提供しています。
・スコッチⓇ シリコーン自己融着テープ HDT2、および 70は、とても軽くて薄いテープで、非常に高温の状態でも、強いシーリング、絶縁性能(通常 5〜46kV)、耐UV性能をもち、トラッキング現象やアーク放電からの保護に対応します。
・スコッチⓇ シリコーン自己融着テープ HDT2の断面形状は、横に細長いひし形で、中央が太くなっています。つまり、このテープは半重ね巻きしたときに、テープ表面が均一な高さになるように設計されています。
・これらの特徴は、重量の制限やスペースの最小化が求められる、軍用航空機の製造などでも非常に必要とされています。
高圧絶縁用テープは、厚みがあるため衝撃緩衝材として、また激しい振動にも耐えられるように設計されています。
生産ラインを構成するエンジンやモーターの中の電気接続部は、長期間の連続した振動にさらされています。高圧絶縁用テープは、ビニールテープと比べて 約 4倍のテープの厚みがあり、一定の振動が常に加わっているモーターのリード線の接続部のようなものでも、機械的に長期間守ることができます。また、バスバーやスプリットボルト接続などのように、不規則で、粗い、または鋭いエッジのある表面状態のものに対しても、よく適合し、優れた耐衝撃性能を発揮します。
スコッチⓇ 自己融着テープ 130Cのテープ厚は 0.76mmです。
引っ張って巻くことにより、テープ同士を融着させます
一体化するために、よく引っ張って巻き付けます
・ 巻き終わりは、手で引きちぎります
・ 終端は、テープに丁寧になじませてください
自己融着性テープとは、
ポリエチレンの基材があるため、本来の「自己融着テープ」とは少し異なりますが、右のイラストのように、粘着剤の機能をもったブチルゴムがポリエチレン基材を巻き込み、隙間を埋めて一体化(自己融着)しているテープです。
(参考)自己融着テープ
粘着剤を使用せずに、テープ同士の重なりのみで自己融着して貼りつくテープです。基材にブチルゴムやシリコーンゴムといったゴム材が使用されており、引っ張りながら巻き付けると表裏で強く密着します。粘着剤を使用していないため、耐水性、耐熱性などに優れます。 3Mの高圧絶縁用テープは、ほとんどの商品が自己融着テープになります。
フィットテープを選ばれたポイント
・粘着力が強い
・手になじみやすくて、作業性の良さを肌で感じた。
・段差の隙間をうまく埋めてくれる
・テープの切れもよい
電気的な故障やアーク放電などから生じた炎は、大きな火災事故につながることがあります。
そのような危険を未然に防ぐためにご使用いただくのが、スコッチⓇ 耐炎耐アーク用テープ 77 です。
このテープは、UL-94規格 V-0に合格しています。
高温加熱時には厚みのある炭化層を形成し、火炎を遮断します。テープを巻きほどいていただくと、再使用いただけます。
ご使用例: ケーブルの耐炎耐アーク保護、特に管路が狭く、重量を少なくすることが必要な箇所での保護に適しています。
終端処理、接続部保護、バスバー用途などでご使用いただいている、エチレンプロピレンゴム製の絶縁テープです。高圧の電力ケーブルにも使えます。
・テープ厚は、0.76mm
・テープの伸びは、500~1000%
・自己接着性あり
・69kVまでの電気絶縁に対応
薄くて、性能が高く、使用温度範囲が広いシリコーンゴム製のテープです。高圧用途および、軽くするニーズのある用途で使用されます。耐オゾン性、耐アーク性、耐トラッキング性に優れています。
スコッチⓇ シリコーン自己融着テープ HDT2 の断面形状は、横に細長いひし形で、中央部が厚くなっています。そのためテープを半重ねにして巻くと、巻いた時の厚みが均一になります。
・テープ厚は、0,3~0.5mm
・使用温度範囲は、~180℃
・テープの伸びは、300~450%
・自己接着性あり
・軽量
・69kVまでの電気絶縁に対応
・ライナー付き
ビニールの基材とラバー系粘着剤を組み合わせた電気絶縁用テープです。
ハロゲンフリーのため、脱ハロゲンが必要なゴム・プラスチック絶縁電線の接続および端末処理部の絶縁にご使用いただけます。
高い絶縁性と、優れた防水性を兼ね備えており、高圧の電力ケーブルにもご使用いただけます。黒色粘着ポリエチレン絶縁テープ(JCAA D 004)の規格品です。
・テープ厚は、0.5mm
・使用温度範囲は、~90℃
・テープの伸びは、400%以上
・33kVまでの電気絶縁に対応
高圧のご用途では、電気的な遮蔽や接地材料が使われています。3Mは、高圧ケーブルの接続や終端処理に関わるさまざまな商品を提供しています。
隣接する電力ケーブルでアーク放電障害が起きたときでも、テープが膨張することで、重要な電力ケーブルを守ることができます。このテープは、高温にさらされたときに厚い炭化被膜を蓄積するように配合しています。架空、地下の両方で高圧用途の保護巻きテープとしてご使用いただいています。
・テープ厚:0.76mm
・テープ幅:38mm
・伸び: 90~150%
・ほとんどの場合、半重ね巻するだけで適切に保護できます。
・粘着剤がついていないため放っておくとほどけてきます。このテープの上にガラスクロステープ等を巻いてご使用ください。
エチレンプロピレン製のゴム系テープです。電力ケーブルのシース内部を連続的に遮蔽できます。
電気を伝導するため、外層シースでは使用しないでください。必ず、電気絶縁用ビニールテープなどで上巻きする必要があります。
・テープ厚:0.76mm
・使用温度:最大 90℃
・伸び:800%
・耐紫外線性能あり
・防湿性あり
マスチックは非常に粘着性のある素材で、とても優れた伸び特性をもっています。ラバーマスチックテープは、エチレンプロピレンゴムの基材と、それによく合う マスチック素材を組み合わせた商品です。
スコッチⓇ ラバーマスチックテープ 2228は、使用温度範囲、適合性、絶縁耐力のすべての点において、最高の品質を実現しています。
絶縁テープを選ぶ際に ご参照ください。
・電気絶縁用ビニールテープは、湿気や腐食からの保護に最適なPVC基材を使用しています。またPVC基材は強く、かつしなやかで、摩耗耐性も兼ね備えています。電気絶縁用途では 一番お手頃の選択です。
・高圧絶縁用テープは、主として電線、ケーブルなどの接続や終端箇所に使用されます。最大で69kVの定格電圧まで対応しています。物理的および電気的特性に優れ、電気的接続箇所や電力ケーブルなどの防湿、衝撃保護の目的に最適です。
・マスチックテープは、金属、ゴム、電力ケーブルのシースや、電線などによく接着し、高いシーリング性能を持ちます。紫外線に強く、湿気にも強いため、屋外でのご使用に適しています。
・商品のご選択にお迷いになられた際は、こちらからお問い合わせください。