平成20年4月から平成21年10月の1年半の期間に34.1%(168施設)が滅菌不良によるリコールを経験※
また、リコール件数を把握していた施設は109施設あり、合計451件ものリコールが発生していた(1施設あたり平均3.9件)
※小林寛伊ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書4, 医療機器学, 2011,vol.81,p30-41.
滅菌不良の主な原因は、器械の故障とヒューマンエラーであり、どの施設でも起こりうる現象です。
つまり、滅菌不良に伴うリコール(医材の回収)は、あなたの施設に明日起こってもおかしくない、とても身近な出来事なのです。
“滅菌不良を起こさない”ことよりも、滅菌工程のエラーを早期に発見し、リコールのインパクトを最小化することが重要なのです。
1.作業記録を確認する。
2.滅菌器の運転を中止する。
3.院内感染対策チーム/リスクマネージメントチームへ報告する。
4.リコール対象物品を払い出した先の部門へ報告する。
5.前回BIが陰性反応を示した滅菌工程まで遡り、物品回収・再包装・再滅菌をする。
6.リコール対象品を患者様に使用していた場合、担当医へ報告する。経過観察などの対応を実施する。
7.BIに陽性反応が出た原因の追究と、滅菌器の修理を行う。
8.リコール報告書の作成と提出をする。
BIの使用頻度によって、回収対象となる器材の量は大きく変わります。
滅菌不良が起こった時のために、リコールの体制をあらかじめ整えておきましょう。
同一滅菌器で複数のプログラムを利用している場合、プログラム毎にBIを使用する:B
小林寛伊ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書5, 医療機器学, 2018,vol.88, No.1, p.81.
短時間(24分)で判定できるBIを導入すると、医材を払い出す前に滅菌不良を検知できます。
一部の滅菌法については、短時間で判定可能なBIが入手可能となっており、回顧的な質保証ではなくBI判定確認後の滅菌物の払い出しを積極的に検討、実践することが望ましい。
小林寛伊ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書5, 医療機器学, 2018,vol.88, No.1, p.82.