呼吸用保護具とフィットテスト

空気中の汚染物質は多くの場合、人間の呼吸によって体内に取り込まれます。作業場の汚染物質を軽減し、環境を改善することはとても大切なことですが、最終的に体内に取り込まないためには、呼吸用保護具が重要な役割を担っています。

そのためには高い捕集効率を持つ性能のよい呼吸用保護具を選択する必要がありますが、いかに性能の良いマスクを使用していても、その使用方法が不適切であったり、マスクがフィットしていなかった場合は、その効果は損なわれてしまいます。

顔に合ったマスクを選定できているか、正しく装着できているかを確かめる方法として、フィットテストは重要です。

  • A line drawing of a pen and paper
    フィットテストサポート

    3Mはパートナー企業様によるフィットテストサポート(有償)をご紹介しております。
    詳しくはお問い合わせください。

    パートナー企業 :株式会社MCエバテック

  • フィットテストには定性と定量、2種類の方法があります。詳しくはこちらをご覧ください。

  • 呼吸用保護具の正しい装着には、フィットテストだけでなく、日々のシールチェックも重要です。

  • フィットテストに関連するよくある質問はこちら。
     


A banner of a drawing of a man wearing a respirator while a woman is holding up a respirator to another woman who is wearing a large head protector

呼吸用保護具のフィットテストについて

JISで規定されたフィットテストの方法として、測定器を使用する定量的フィットテスト(QNFT)と味覚での判断を行う定性的フィットテスト(QLFT)2種類があります。

  • 定性的フィットテスト

    フードをかぶり、その内側でエアロゾル化した物質(サッカリンなど)を噴霧した検査を行います。

    呼吸用保護具を着用した状態で味覚を感じれば、漏れが生じていることが明らかになるテストです。

    漏れを感じなければフィットファクタ100以上となります。

    3M™ フィットテストキット FT-10にて測定が可能です。

  • 定量的フィットテスト

    屋内粉じんを用いて呼吸用保護具を着用した顔面への密着度を測定するのが定量フィットテストです。

    専用の機器を使用して、面体の内側と外側の粒子の濃度を測定し、フィットフ ァクタを定量的に示すテストです。


フィットテストの概要と実施方法の説明


3M™ 呼吸用保護具 フィットテスト関連製品

製品ページはこちら

それぞれの製品詳細については製品ページをご確認ください。

  • A man wearing a large respirator
    定性的フィットテスト製品はこちら

    定性的フィットテストに必要なフード等のパーツについてはこちら。

     

  • 3M FT-10 Qualitative Fit Test Apparatus
    定性的フィットテストキットはこちら

    必要な製品がそろったキットはこちら。

  • 3M™ Fit Test Adapter 601
    定量的フィットテスト製品はこちら

    定量的フィットテストに必要なパーツ等についてはこちら。


3M™ Wear it Rightアプリでフィットテストを簡単に実施可能です

アプリのガイダンスに沿って進めるだけで、定性的なフィットテストが簡単に行えます。

3M™ フィットテスト支援アプリは、すべてのiOS端末およびAndroid端末でご使用が可能です。

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  • A man directing how to wear a respirator correctly
    JISのプロトコルに沿ったフィットテスト

    規定されたプロトコルに沿った適切なフィットテスト手法がアプリのガイダンスに従うだけで簡単に実施できます。

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    紹介動画はこちら

  • A man checking the fit on a person fully-enclosed in a respirator
    無料ダウンロードで使いやすい

    呼吸用保護具の種類によらず、サッカリンまたはビトレックスを用いた定性的フィットテストが実施可能です。

  • A man checking the fit on a person fully-enclosed in a respirator
    2つのモード

    このアプリには、詳細なガイダンスを必要としない上級者向けと、より詳細なガイダンスを提供する初心者向けの2つのモードがあります。

  • A  man reviewing wearer details on a tablet
    簡単な記録管理でペーパーレス化

    着用者の詳細をインポートし、フィットテストの記録をエクスポートすることで、用紙に記録する必要なくデータが蓄積されます。


A line drawing of a group of people wearing respirators with a green checkmark next to them
呼吸用保護具のフィットは重要でしょうか?

面体形の呼吸用保護具は顔との密閉性が低いと、期待通りの防護効果が得られないことがあります。

フィットの重要性動画を見る

呼吸用保護具に重要なフィットとは、面体と顔が隙間なく密閉することです。呼吸用保護具は空気がフィルターを通過して初めて機能します。空気は最も抵抗の少ない経路を通るので、密閉されていなければ、空気は呼吸用保護具を通らずに隙間から回り込むことになり、効果は低くなります。

  • A man wearing a  respirator and eye protection showing compatibility among protective gear
    他の保護具との相性

    保護めがね、聴覚保護具、防災面、保護帽 (ヘルメット)などはすべて、人の顔、頭部で呼吸用保護具と一緒に使用する場合、それぞれの保護具が干渉することがあります。

    OSHAでは、このような問題を防ぐため、フィットテスト時に密閉性を阻害する可能性のある他の保護具を着用するよう求めています。

    JIS T8150では、保護具同士の相互干渉を考慮することが望ましいとされています。

  • A man wearing a respirator with a blue highlight on the edges of the respirator shoing that the seal is in place.
    毎日のシールチェック

    ユーザーは、防じんマスクを着用する度に、正しく装着されていることを確認することが必要です。使い捨て防じんマスクを着用した人は、青くハイライトされた部分が密閉されているか、シールチェックにより日常的に確認する必要があります。

    シールチェックはJIS T 8150でも示されています。

    製品の取扱説明書に記載されているように、陽圧法または陰圧法のシールチェックを行うことが重要です。


シールチェックの方法について

陽圧法によるシールチェックとは、面体形呼吸用保護具の排気弁を塞ぐか、使い捨て式防じんマスクの場合は、通常は手を使って覆い、息を吐き出そうとすることです。マスク全体に圧力がかかるようであれば、呼吸用保護具の縁から空気が漏れていないことを意味します。

 


陰圧法によるシールチェックでは、面体形呼吸用保護具の吸気口を塞ぐか、使い捨て式防じんマスクの表面を手で覆い、息を吸い込もうとします。空気が入ってこなければ、密着していることを意味します。

 


フィットテストについてよくある質問

  • フィットテストは必ず行う必要がありますか?
    OSHAにおいて面体形呼吸用保護具使用者はを少なくとも年1回、または異なるサイズまたは種類の異なる面体を使用するとき、およびフィットに影響を与える可能性のある身体的変化(例えば、著しい体重変動、歯科治療、またはその他の顔の変化など)が生じたときに実施しなければならないと定めています。 日本では特化則により、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場で面体形の呼吸用保護具を使用する場合は、少なくとも1年に1回フィットテストを実施する必要があります。
  • 使い捨て式防じんマスクにおいても顔と接顔部の密閉性を確認する必要があるため必要です。
  • 雇用主から使用を義務付けられていない場合、フィットテストの必要はありませんが、3Mとしては適切な装着のためのフィットテストを推奨しています
  • OSHA及び日本の法令においては資格の取得は求められていません。基準としてはフィットテスト実施者がテストの実施方法、無効な結果の認識、および機器の適切な清掃とメンテナンスの方法などの知識を有していることが挙げられます。
  • 使い捨て式防じんマスク及び半面形面体に有効です。このテストは、サッカリンまたは安息香酸デナトニウムを用いて味覚での感知能力に依存しています。定量的フィットテスト(QNFT)は、あらゆる呼吸用保護具のフィットテストに使用することができます。これは、面体の内側と外側の粉じん濃度を測定する機器を使用して行います。
  • 指定防護係数は、呼吸用保護具が正常に機能している場合、かつ呼吸用保護具の使用方法についてよくトレーニングされた着用者が使用した場合に、少なくとも得られるであろうと期待される防護係数です。フィットテストは、呼吸用保護具が正常に機能しているかどうかを確認する方法の1つであり、また正しい使用方法を理解するトレーニングとしても有効です。
  • 呼吸用保護具は空気がフィルタを通過して初めて機能します。空気は最も抵抗の少ない経路を通るので、顔への密着がしっかりしていないと、空気は呼吸用保護具ではなく、隙間から回り込むことになります。そのため、呼吸用保護具を着用する場合は、適切なフィットを確保することが重要です。
  • 呼吸器保護具は、他の個人用保護具と同時に着用することがよくあります。保護めがね、聴覚保護具、防災面、保護帽 (ヘルメット) などはすべて、人の顔、頭部で同時に使用することで呼吸用保護具の顔への密着を妨害する可能性があります。そのためJISまたはOHSAにおいてフィットテストは、他の保護具の装着により呼吸用保護具の顔面への密閉性が損なわれることがないよう確認する必要があります。
  • ひげが生えていることで、ぴったりとフィットする呼吸用保護具の密閉性を妨げます。そのため、JISまたはOSHAではフィットテスト当日は髭を剃っていることを要求し、呼吸用保護具が顔に接触する部分に顔の毛があることを禁じています。
  • フィットテストでは、頭を動かしたり、前屈、声を出したりといったいくつかのエクササイズを行います。実際の作業時にも会話をしたり移動したり様々な作業があることを想定し、動作を伴うテストで合格できることを確認します。

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