IoT、5G、拡張現実と仮想現実などの世界的な技術トレンドが要求する新しいコンピューティングと設計の要件を満たすために、限られたフットプリントに高密度でデバイスを組み込むことで、チップ性能の向上を図ることが重要です。このような要望に応えるには、ファンアウトウエハーレベルパッケージング、ファンアウトパネルレベルパッケージング、3D TSV、ヘテロジニアスインテグレーションなどの各種プロセスが効果的です。
チップの歩留まり維持の要求も厳しくなっています。3Mでは、3M™ OneFilm WSS半導体仮固定フィルムシリーズ(3M OneFilm)と3M™ ウエハーサポートシステム(3M WSS)というソリューションを開発し、お客様の重要な課題である耐熱性や耐薬品性に対応することで、ウエハーレベルやパネルレベルの半導体パッケージング、そして精巧なファンアウトウエハーやファンアウトパネルレベルの対応を可能にしています。
ファンアウトウエハーレベルパッケージング(FOWLP)
FOWLPでは適切な接着剤の選択が重要です。前工程で処理された半導体ウエハーを後工程で保持するための十分な接着強度を確保すると同時に、基板を損傷することなく、残渣を最小限にして基材から剥離できる接着剤であることが必要です。処理されたウエハーはダイシングと慎重な再配置を経て、隙間をモールドで埋めるように成形されます。モールドで隙間が埋められた空間には、「ファンアウト」と呼ばれる接続のためのエリアが形成されます。
ファンアウトパネルレベルパッケージング(FOPLP)
FOPLPは、FOWLPをさらに進化させたもので、大きな正方形のパネル上で半導体パッケージングとダイ加工ができるようにしています。ウエハーよりも多くのダイを扱うことができるため、さらなるコスト削減が期待できます。
ヘテロジニアスインテグレーションとは、これまで別々の工程で製造されてきたダイ、MEMS、センサーなどの部品を、一つのパッケージにまとめることです。このパッケージは、これまで以上に優れた機能と運用上の利点(システムレベルのパフォーマンス、COO)を提供します。ここでも接着剤が重要です。さまざまなハウジング基材との適合性に優れること、基板を損傷することなく残渣なく剥離できることが必要です。
適合アプリケーション:IGBT、FOWLP、LED、MEMS、3D TSV、ヘテロジニアスインテグレーション
3M WSSは、IGBTおよびウエハーレベル半導体パッケージの完全なソリューションであり、世界クラスの装置と3M™ 液状紫外線硬化型接着剤を組み合わせて、ウェーハの薄片化や高温FOWLPおよびFOPLP(3M OneFilm使用)プロセスに必要な仮固定プロセスを可能にします。
ガラスキャリアに仮接着することで、剛性の高い均一な支持面が得られ、その後の処理工程でのウエハーへのストレスを最小限に抑えることができ、反り、割れ、エッジチッピングの発生を抑え、高い歩留まりを実現します。
当社は現在、超高温の銅と銅の接着プロセスにおいて、非酸化物の表面を維持することで異種金属の統合を可能にすることを目的とした接着技術を開発しています。
銅の熱圧着への取り組み方や、そのヘテロジニアスインテグレーションへの影響については、3Mの材料専門家にお問い合わせください。
3M WSSでは、製品の実用化試験も行っています。
A:半導体ウエハー、B:3M™ 紫外線硬化型接着剤、C:3M™ Light-To-Heat Conversion Release Coating(LTHCインク)、D:ガラスキャリア、E:3M™ ピールテープ 3305
3M WSSは、1時間に22枚以上のウエハー処理が可能なハイスループットを実現するために、簡単な接着と剥離を実現します。
1. 半導体ウエハーをガラスキャリアに接着
2. バックグラインド
3. バックサイド処理
幅広い化学薬品に対応した良好な耐薬品性、低アウトガス
4. ダイシングテープの適用
5. レーザー剥離
6. ガラスキャリアのリフトオフ
7. 紫外線硬化型接着剤層の剥離
適合アプリケーション:FOWLP、FOPLP、3D Si貫通電極(TSV)
3M OneFilmは、既知の範囲で最新のファンアウトウエハーおよびパネルレベルICパッケージを実現するソリューションで、半導体ウエハーレベルおよびパネルレベルパッケージの製造プロセスの価値を高めます。
3M OneFilmは、3M WSSスピンコート材料と同様のレーザー剥離機能を持ち、さらにFOPLPに必要な耐熱性を高めています。そのため、同じ時間でより多くのチップを1枚のウエハーから製造することで、生産性を高め、コストを削減できます。
A:モールドしたウエハーやパネル、B:チップ/ダイ、C:ガラスキャリア、D:3M OneFilm、E:パッシベーション、F:はんだバンプ
3M OneFilmが半導体パッケージ向けにファンアウトシリコンウエハーレベルやパネルレベルのプロセスでどのように使用できるかを示したフローになります。3M OneFilmは、再構成プロセスや、また、この図のように、既に再構成されたウエハーをモールド面から接着し、RDL-ラストプロセスを実現します。
1. 再構成とパネル化
2. 3M OneFilmのラミネーション
3. ビルドアップ(RDL、はんだリフロー)
優れた熱安定性(最高230℃、2時間)
4. レーザーによるガラスキャリアの剥離
5. デボンダーによる接着剤の剥離
6. 最終製品
100年以上にわたり、3Mは高品質なソリューションを提供するために製品テストを繰り返してきました。3M WSSと3M OneFilmに使用される接着剤も同様です。3Mの材料は、厳密な接着力、耐熱性、耐薬品性の試験を受けており、ファンアウト半導体ウエハーレベルパッケージング(FOWLP)やファンアウトパネルレベルパッケージング(FOPLP)に必要な新しいプロセス、時間、温度、基板の要件に耐えられるようになっています。
当社は次のような材料特性を分析しています。
特殊な温度、時間、化学薬品に対する耐性については、3Mの技術者がお客様やお客様のチームと協力して、グローバルな製品開発ラボや製造拠点から直接サポートを受けながら、潜在的なソリューションを特定することができます。
数十年にわたる問題解決の経験と関連技術のトレーニングを積んだ専門家のチームが、お客様の最も困難な材料の課題に取り組むお手伝いをいたします。